【トヨタ自動車開発】脳卒中の歩行能力を向上させる歩行支援ロボット「ウェルウォーク」の特徴とは?
2024.05.07
リハビリの対象となる疾患脳卒中脳出血/脳卒中脳梗塞/脳卒中
トヨタ自動車製歩行支援ロボット ウェルウォークとは?
ウェルウォークは脳梗塞や脳出血といった脳卒中により、足に麻痺を抱えてしまった方のリハビリテーションの支援を目的に開発されたリハビリテーションロボットです。
開発はトヨタ自動車で、「すべての人に移動の自由を、そして自らできる喜びを」というビジョンのもと藤田医科大学と共同で2007年から取り組み始めたようです。
開発段階では、Gait Exercise Assist Robot(GEAR)の名のもとはじまり2011年に医療現場での実証実験や臨床研究が開始、2016年には「ウェルウォークWW-1000」として医療機器承認を取得、その後、2019年にさらに機能性を向上させ「ウェルウォークWW-2000」が発表されています。
現在ではシリーズ累計100台以上の展開が進み、全国の病院やリハビリ施設にて使用されており、私たちAVIC名古屋栄店も東海エリアの生活期リハビリ施設としては初の導入をしています。
機能から考えるウェルウォークの特徴
そのウェルウォークといっても、なかなか目にする機会がないかと思いますので、実際に導入している施設の立場から、利用される方の目線でウェルウォークの構成と特徴をまとめていきたいと思います。
まず初めに特徴を前出しすると、
◯高い安全性を備え重症度を問わず歩行練習量を最大限確保することができる
◯豊富な運動学習支援により、自然な歩き方を再学習することができる
と言えます。それぞれの機能からこれらの特徴を紐解いていきたいと思います。
構成装置① ロボット脚
麻痺側の下肢に装着し、センサーで足の動きを感知しながら、繋げられた脚の免荷装置により動きのアシストまで行います。その性能により、従来は療法士の介助で行っていた発症初期、比較的重度の症状における歩行リハビリプログラムから、足の振り出しや支えを機械のアシストを受けることで、比較的早い段階や車椅子での歩行能力の場合においても、正常歩行に近い歩き方で歩行練習を行うことを実現させます。
構成装置②低床トレッドミル
いわゆるランニングマシンのようなものです。普通のトレッドミルと比較すると、地面から6センチの低床である上に横幅が広いため車椅子の方でも乗り入れスムーズにできます。さらには左右に調整可能な手すりもついており、どのような体格の方であっても歩きやすい環境に調整することができます。
構成装置③転倒防止・体幹支持ハーネス
ハーネスによる体の吊り上げ機能です。転倒防止の役割と体重部分的に吊り上げることにより歩行練習における難易度を調整することができます。この性能により、体格差や重症度により歩行練習を制限することなく、介助量を問わず歩行練習を行うことが可能となります。
構成装置④正面モニタ
歩行練習の際に目的に合わせて様々な情報を表示するモニタになっています。前方、側方、足元を映し出すカメラからの情報をリアルタイムで投影することで姿勢の確認を行ったり、足に搭載されるセンサからの情報として体重のかかり具合や膝折れの有無などリアルタイムで投影し適切な歩行ができているかの確認を行うことができます。また、練習中の歩行距離や歩行時間を投影したり、ゲーム機能なども備わっているため、運動中のモチベーション維持にも役立ちます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。自動車メーカーであるトヨタ自動車からリハビリロボットが開発され、販売されていることをご存じなかった方も多いのではないでしょうか。
そのウェルウォークは、
◯高い安全性を備え重症度を問わず歩行練習量を最大限確保することができる
◯豊富な運動学習支援により、自然な歩き方を再学習することができる
という特徴があることがわかりました。
次の記事ではウェルウォークが適応となる方やその効果などをまとめましたので合わせてご覧ください。
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