AVic

脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、腰痛、五十肩などの後遺症改善を目的としたリハビリサービス

お問合わせ

脳梗塞のリハビリテーションの種類|後遺症の対策について解説

脳梗塞のリハビリ画像

その1. 脳卒中の3つの種類について

脳梗塞

リハビリの対象となる疾患の代表例である脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまうことで起きる病気です。血管が詰まると、血液を脳に送ることができなくなってしまい、脳の細胞は死んでしまったり弱ってしまったりします。すると、手足を動かす、言葉を理解するなどの人間に備わっている機能が働くなってしまい、いわゆる麻痺といった症状が出るのです。



脳出血(脳内出血)

脳出血は、脳の血管が破れることで起こる病気です。脳の血管が破れると、脳に血液が行き渡らなくなるだけではなく、頭蓋骨で覆われた脳を血液が圧迫してしまい、障害が残ることになります。



くも膜下出血

くも膜下出血は、脳の動脈瘤が破裂することで起こる病気です。突然の頭痛とともに発症することが多く、脳卒中全体を見ると、脳梗塞や脳出血は以前と比べて助かる確率が増えているものの、くも膜下出血は致死率にあまり変化がなく、大変怖い病気の1つになります。



その2. 脳梗塞の後遺症・症状とリハビリについて

手足の麻痺

脳梗塞の後遺症として代表的なものは、手足の麻痺です。麻痺は、運動麻痺と感覚麻痺に大別されます。手が動かせなくなると、日常生活で必要な歯を磨く、字を書く、箸を持つ、手をついて起き上がるなどの動作がしづらくなります。足に麻痺が残ると、一番影響が出てしまうのは歩くことです。


脳梗塞後の麻痺に対して行うリハビリでは、大原則として麻痺した手足をしっかり使うことが大事です。手足を使うために、電気刺激療法、歩行練習(トレッドミル歩行)、CI療法などが選択されることがあります。(それぞれのリハビリ方法については、後ほど解説します)



言語障害(言語の麻痺)

脳梗塞が起こった脳の部位によって、言語の障害(言語障害)が見られることがあります。言葉が出にくくなったり、相手の言っていることがわからなくなったりと、コミュニケーションにとって重要な手段が失われてしまうことになります。


言語障害に対するリハビリでは、麻痺した口や首の機能強化、言葉の発声練習、読み書きの練習などを行います。



認知障害

脳梗塞の後遺症として、認知障害(認知機能障害)が起こることもあります。物忘れ、人の顔が認識できない、感情のコントロールがうまくいかないといった症状が見られます。


認知障害に対するリハビリでは、生活しやすいように環境を整えながら、その場で必要な機能や動作を獲得していくことになります。



高次脳機能障害

高次脳機能障害は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、行動障害などを含む名称です。(認知障害も含まれることがあります)それぞれ、以下のような症状が見られます。


・記憶障害:物を置いた場所を忘れる、新しいことを覚えられない


・注意障害:二つのことを同時の行うことができない、集中力が続かないといった症状


・遂行機能障害:計画・実行ができない


・行動障害:感情をコントロールできない


高次脳機能障害に対するリハビリでは、手順を何度も反復して練習する、指差し練習をするといった方法が選択されることがあります。



日常生活で困ること

手足の麻痺や高次脳機能障害など、脳梗塞によって起こる機能障害により、日常生活でどのような困りごとが増えるのでしょうか?


自動車運転は良い代表例です。自動車を運転するには、手足を動かしたり、周囲に注意を向けたりする必要があります。脳卒中を発症すると、そのような機能が障害されることあ多いため、リハビリによって改善を狙うことになります。


その他にも、身の回りの生活(入浴、トイレ、ベッドと車椅子間の移動など)に応じて、リハビリを進めていきます。



その3. リハビリの開始時期と必要な期間

開始時期と終了時期について

脳梗塞のリハビリは発症後早期から行うことが重要です。脳梗塞による急性期病院への入院から3日以内にリハビリを始めた方が日常生活動作の回復が大きいことがわかってきています[1]。


終了時期というものはありません。病院で行うリハビリだけがリハビリではなく、例えば日常生活の中で歩くといったこともリハビリに含まれます。



リハビリに必要な期間について

脳梗塞のリハビリに必要な期間は、入院期間が1週間で終わる人もいれば、6か月以上入院する方もいます。麻痺した機能は3ヶ月から6ヶ月でそれ以上良くならないという報告もありますが、これはあくまで機能の話であり、日常生活における動きの能力は頭打ちになることはありません。


退院後にも集中的かつ継続的なリハビリを行うことで、自分が目指す能力回復を達成できる可能性は上がります。現在の保険制度では、退院後に十分なリハビリを受けることは難しいと感じる方もいると思いますが、できるだけ多くのリハビリを受けることができるように工夫することも大事です。



その4. リハビリプログラムで大事なこと

まずリハビリで注意したいこと

リハビリ=マッサージというイメージが強いと、ベッドに寝ながら少し筋力トレーニングということを考えるかもしれません。しかし、リハビリと言いながら、マッサージをしたり、ベッドに長時間寝ていても手足の麻痺や日常生活の身の回りの動作が改善することはまず考えられません。日々の活動量や動き方を学べるリハビリを選択すると良いでしょう。



理学療法

脳梗塞の後遺症に対して行う理学療法では、歩行練習、体力強化練習、基本動作練習、日常生活動作練習と呼ばれるリハビリを行います。


・歩行練習:装具などを用いて、歩く練習をします。免荷式トレッドミルという機械を使うこともあります。


・体力強化練習:自転車などを用いて、心肺機能を強化する練習をします。


・基本動作練習:起き上がる、立つ、座るといった基本的な動作を練習します


・日常生活動作練習:日常生活に必要な階段の上り下り、トイレ動作、入浴動作などを練習します。



作業療法

作業療法では、麻痺した手を積極的に使う練習、日常生活に必要な作業の練習などを行います。


・CI療法:積極的に麻痺した手を使うことで、手を使う頻度や質を向上することを目的に行う脳梗塞のリハビリ方法です。



言語聴覚療法

脳梗塞を発症すると言語の障害や摂食嚥下の能力も低下します。特に、言語は脳の左半球に障害が見られると現れやすいと言われています。そこで、言語聴覚士が言語の訓練を行い、言葉の出やすさ、想起などの言語機能を高めることで、日常のコミュニケーションを円滑に進められるのです。



その他のリハビリ

リハビリでは、麻痺や日常生活動作の改善のために様々な手法が選択されます。ここでは、理学療法、作業療法、言語聴覚療法に共通した手段を紹介します。


・促通反復療法:ヒトが持ち合わせている様々な反応を使いながら麻痺した手や足を自分で動かすようにイメージする、機器を使って実際に動かすといったことを何度も反復して行うリハビリの方法です。


・末梢電気刺激療法:脳の働きを活性化させることを目的に、手足に微弱な電流を流すリハビリ方法です。


・経頭蓋磁気刺激(TMS):TMSは電磁石を用いて電流を起こし、頭蓋骨を通して脳に刺激を与える方法です。


・経頭蓋直流電気刺激(tDCS):tDCSは、TMSと同様に頭蓋骨を通して電気を脳に伝えるリハビリ手法です。TMSよりも刺激が弱く感じるという点でメリットがあります。


促通反復療法は、理学療法や作業療法で用いられることがある方法です。電気刺激療法の類は、運動と併用することで効果が大きくなります。脳に負った障害をより効率的に改善することが望まれます。



家族と行うリハビリ

リハビリは、病院や自宅、デイサービスなどでリハビリの専門家と行う内容だけを指すのではありません。むしろ、専門家が関わる時間は日常のごく一部になります。そのため、ご自身で運動することも大事ですし、脳卒中を発症した場合は家族と運動・練習を行うことが必要になります。


運動や様々な練習の内容は、専門家に指導してもらってください。難しいことを行うことはほとんどなく、一緒に歩いていただいたり、立ち上がる練習など、簡単なものから始めると良いと思います。



その5. 脳梗塞の後遺症に対するリハビリの効果

歩行練習

歩く練習は、もちろん症状などで変わりますが、できるだけ多く行うことが推奨されています。もし、後遺症が重度な方で歩く量を多くしたい場合や軽度であっても早く歩く練習をしたい場合などには、免荷式トレッドミルを活用すると良いでしょう。


効果については様々な研究で報告されており、平地歩行と比較して効果があると述べているものから[2]、大きな改善は認められないと述べているもの[3-5]まで様々です。最近(2017年12月時点)では、後述するtDCSという手法と組み合わせて行うとより歩く能力が改善することがわかってきています[6]。



装具を用いた歩行練習

装具療法は、足の麻痺がある方に対して行うものです[7]。プラスチックや金属でできた支柱を足に装着し、足の弱い機能を補う役割を持ちます。効果として、安定して歩くことができたり[8]、歩く速さが増す[8]といった報告がされています。



CI療法の一般的な効果

CI療法の効果については、発症後早期から慢性期まで幅広く効果が認められています[9]。例えば、CI療法は通常のリハビリよりも上肢の機能を改善する、手の使用頻度が増すといった精度の高い報告がされており、脳卒中のリハビリの中ではコンセンサスの得られた手法になりつつあります。



促通反復療法の一般的な効果

促通反復療法の効果として、促通反復療法によって上肢の機能や物品を操作する能力が通常のリハビリよりも向上することが報告されています[10]。CI療法と同様に行うことができる施設は限られているため、注意が必要です。



この他にも様々なリハビリ方法やその効果が検証されています。リハビリ=マッサージのような印象をお持ちの方は、もしかしたら病院でリハビリの時間にベッドに長く寝ていることが当たり前のように感じているかもしれませんが、それは大きな間違いです。


回復するためには、しっかり運動することが必要になります。ベッドに寝る時間の多いリハビリ施設には十分に注意してください。



その6. 脳梗塞のリハビリに必要な費用について

脳梗塞のリハビリにかかる費用は、入院日数や退院後のサービス量、リハビリを受ける機会などによって変わります。


例えば、回復期リハビリテーション病院でリハビリを受けると、20分で245点(2,450円)の医療費が発生します(様々な基準によって費用は変動しますので一概には言えません)。1日に3時間のリハビリを受けると、約23,000円程度かかります。もし回復リハビリテーション病院に90日間入院すれば、2,000,000円の費用が発生するのです。


もちろん、医療保険によって3割負担であれば600,000円、1割負担であれば200,000円になります。さらに退院後も通院したり介護保険を使えば、加算されますし、入院料や薬の費用、その間に働けないことを考えるとその分の負担が出てきます。



まとめ

今回は脳梗塞のリハビリ手法について、後遺症への対策や効果、費用、期間などを含めて解説しました。効果的なリハビリにより目指したい自分像の実現に近づける可能性があります。リハビリの量だけでなく、内容(質)に注目することも必要です。


2018年9月3日 更新



出典

1.http://stroke.ahajournals.org/content/early/2017/01/20/STROKEAHA.116.015147


2.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23599221


3.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21612471


4.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24519922


5.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16235304


6.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29107706


7.日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]、株式会社協和企画、2017


8.https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.11477/mf.1552110026;jsessionid=A27E91BA44BB5A496337372ED9002A6F


9.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26446577


10.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23213077


藤本修平
執筆者

藤本修平

理学療法士 / 認定理学療法士(脳卒中) / 保健学修士
“脳卒中”の認定理学療法士かつ“健康情報学”の専門家。情報を上手に使いながら利用者様の日常の行動を変えることを得意とし、臨床現場での活動のみならず数々の研究活動・講演活動の経歴を持つ。

脳梗塞のリハビリTips

ページのトップへ