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脳出血後遺症のしびれ・麻痺は完治するの?原因と対策について解説

脳梗塞後遺症の麻痺、しびれの画像

脳出血の後遺症「しびれ(麻痺)」とは?

しびれ(麻痺)のメカニズム


「しびれ」は、よくヒリヒリ、ジンジン、ビリビリ、ピリピリなどのように表現されます。このしびれは脳出血であったり、糖尿病などの内科疾患、神経が圧迫されたりすることで起こるなど、様々な原因が考えられます[1]。

しびれは大きく分けると2つに分類することができます。脳や脊髄が原因で起こった「しびれ」の場合を中枢性、手足や体の神経や血管(血流)が原因で起こった「しびれ」の場合を末梢性と呼びます。脳出血の後遺症「しびれ」は中枢性に当たります。ここでは、中枢性と末梢性のしびれの違いやそれぞれのメカニズムについて詳しく解説していきます[2]。


中枢性のしびれ


中枢性のしびれは、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患や、交通事故などで起こる脊髄損傷、多発性硬化症、脳や脊髄の腫瘍によるものなど様々な病気が原因で起こります。脳の中で感覚は、視床と呼ばれる部位が司ります。視床は、手足や体で感じた情報の中継地点とされています。脳出血を起こす部位全体の30~40%を占め、よく起こりやすい場所の一つとして知られています [3]。また、2次体性感覚野と呼ばれる部位も、感覚的なしびれやかゆみに関係する部位として知られています。


末梢性のしびれ


末梢性のしびれは、代表的なものとして、正座を長時間行ったあとに、足がしびれて動けなくなることを想像すると容易かもしれません。これは、正座した際に、スネや足先を支配している神経が圧迫を受けたことが原因で起こります。

末梢性のしびれを引き起こす病気としては、肘部管症候群や手根管症候群、糖尿病といったものが挙げられます[3]。



脳出血のしびれは治る?

回復過程や予後について


脳卒中の機能回復では、発症から1ヶ月程度は著しく改善し、3ヶ月、半年と経過するにつれて回復の度合いが緩やかになること言われています[4]。その中で脳出血後のしびれについては、発症時に最も起こりやすく、脳出血のうち視床出血の方の30%がしびれを感じているという報告があります[5]。出血の量によって予後も異なってきます。出血の大きさとして4.1cm以上の場合、予後は不良で、意識障害や死亡に至るケースもあります[5]。



脳出血のしびれに対するリハビリテーション

脳出血後のしびれに対しては、リハビリテーションや、薬物療法、外科的治療法(手術)があります[6]。リハビリテーションの方法について詳しい情報は、「脳梗塞のリハビリテーション|後遺症の片麻痺に有効な方法とは」もご覧ください。


麻痺に良いとされるリハビリテーション手法について


■トレッドミル上歩行練習


トレッドミルと呼ばれる健康器具などで良く見かける、ウォーキングマシーンを用いて、速度を調節しながら歩行練習を行います。医療用のトレッドミルではハーネスを使って体を上から吊るし、足に体重がかかる度合いを調節しながら歩行練習を行うことができる免荷式トレッドミルという機械があります。この、免荷式トレッドミルを使った歩行訓練では、歩行速度やバランス能力が改善するといった報告がされています。


■CI療法(Constraint-induced movement therapy)


ある程度麻痺のある手が動ける方に対して、強制的に麻痺がない手を使えないようにし、生活のなかで麻痺のある手をたくさん使うようにすることで、麻痺の手を回復させることを目的とした訓練のことです。1日に6時間以上の訓練を必要とするなど、負担は大きいですが、この治療を受けたことで、手の機能が改善したという報告もされています。


■促通反復療法


各関節を反復して運動を行い、脳卒中により失われた神経回路を再建または強化する方法です。この治療を受けたことで、手足の麻痺の程度が改善したという報告もされています。近年では、これから述べる機能的電気刺激や経頭蓋直流電気刺激、経頭蓋磁気刺激といった治療と併用して治療効果を高めるための研究がされています。


■機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation:FES)


麻痺のある手足の筋肉に電気を流し、電気の力で筋肉を動かす方法です。歩く際に、足の筋肉に電気を流して、歩きやすくしていきます。健康器具であるような低周波治療器とは異なり、電気の流れるタイミングなどはコンピューターによって制御されています。この治療を受けたことで、歩行能力が改善したという報告もされています。


■経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)


頭から磁気を流して、弱った脳機能を活性化させることを目的とした方法です。この治療を受けたことで、手足の麻痺が改善したという報告もされています。特に手の麻痺の方での研究報告が多くあります。足については、歩く速さが改善したという報告もされています。


■その他の治療方法


その他に、鏡を使ったミラーセラピーというものや、リハビリテーションの専門家(理学療法士、作業療法士)が直接触って行う治療のボバース療法やPNFといった治療方法もあります。



まとめ

今回は、脳出血の後遺症の「しびれ」に焦点をあててしびれのメカニズムや回復過程、予後、治療方法について紹介させていただきました。しびれは、気持ちが落ち込ませてしまったり、生活に影響を及ぼすなど悪影響を与えてしまう症状です。しびれに対する理解で、少しでも参考になれば幸いです。



1. 脳卒中協会:脳卒中後の痛みとしびれ、概論・薬物療法 URL:http://www.jsa-web.org/jsanews/jn6/jn6a.html

2. 吉村 道由ら:高齢者の手足しびれ感の診断のポイント. 日本内科学会雑誌. 2014; 103(8): 1876-84.

3. 高木 誠:新版 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血―もやもや病、慢性硬膜下血種、脳動脈解離ほか (よくわかる最新医学)、主婦の友社. 2009

4. 静 雅彦ら:視床出血-CT上の血腫の拡がりと臨床症状の解析-. 脳卒中. 1980; 2(3): 255-261.

5. 平田 好文:脳卒中後の痛みやしびれの治療法について教えてください. 治療 2005; 87(1): 173-175.

6. 日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]、株式会社協和企画、2017


藤本修平
執筆者

藤本修平

理学療法士 / 認定理学療法士(脳卒中) / 保健学修士
“脳卒中”の認定理学療法士かつ“健康情報学”の専門家。情報を上手に使いながら利用者様の日常の行動を変えることを得意とし、臨床現場での活動のみならず数々の研究活動・講演活動の経歴を持つ。

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