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脳梗塞後遺症のリハビリにかかる費用はいくら?医療保険を使った時のお金の話

2018.05.02 脳梗塞/脳卒中
脳梗塞のリハビリにかかる費用の画像

脳梗塞のリハビリ費用は高い?安い?

脳梗塞の後遺症にはリハビリは不可欠ですが、その費用はいくらくらいかかるのでしょうか?まずはリハビリにかかる一般的な費用について説明していきます。


医療を受ける場合、前もって決められた診療報酬と呼ばれる価格をもとに料金が決められています。診療報酬は点数が定められており、通常の医療では1点10円で計算されます。リハビリがかかわる診療報酬では、主に◯◯リハビリテーション料というものがあります。◯◯には、整形外科疾患が対象となる運動器、脳梗塞などが対象となる脳血管、心不全などが対象となる心疾患、慢性閉塞性肺疾患などが対象となる呼吸器、その他ではがんなどが入ります。


この診療報酬ではさらにリハビリテーションの基準となるものがあり、例えばリハビリ室の大きさのような基準によって点数は変わります。脳梗塞が対象となる脳血管リハビリテーション料(I)ですと、1単位20分で245点、つまり2,450円の費用が発生します。もし脳血管リハビリテーション料(II)ですと1単位200点、脳血管リハビリテーション料(III)ですと1単位100点です。この他に早期リハビリテーション加算と言って、手術や急な増悪から30日以内のリハビリテーションには30点が加算されることもあります。


回復期リハビリテーション病棟では、1日に6-9単位のリハビリを行うため単純計算で14,700-22,050円の費用がかかることになります。脳梗塞を発症して回復期病棟へ転棟すると、入院日数がおよそ3か月程度になるため、90日×22,050円=1,984,500円の費用になるわけです。およそ200万円です。もちろん、この他にベッド代、薬代、食事代など様々な費用が必要になります。



脳梗塞で医療保険を使うと負担額はいくら?

脳梗塞のリハビリにかかる費用は回復期病棟に3か月入院すると、200万円程度になることを前節で説明しました。しかし、この金額を全て個人で支払うというわけではありません。日本では皆保険制度という制度があるため、医療保険によってまかなわれることがほとんどです。


例えば、200万円の1割負担であれば20万円、3割負担であれば60万円というように負担割合によってかかる費用は変わってきます。残りの9割、7割は主に国民皆保険制度により国民が毎月保険料を支払っているお金からまかなわれます。


そう考えると、負担している金額はいくらです、という風に説明するのは難しいですが、単純に支払っているお金(20万円や60万円)ではなく、それまでに支払ってきた保険料の一部との兼ね合いになることが理解できます。



脳梗塞のリハビリを医療保険下で行うメリット・デメリット

脳梗塞の後遺症に対してリハビリを行う場合、基本的には医療保険を用いることが多いと思います。前述したように、支払う金額も異なるためです。他方、デメリットとして挙げられるとするならば、脳梗塞のリハビリには算定期限という考えがあることでしょう。この算定期限は、脳血管リハビリテーション料においては基本的に発症から180日以内となります。180日を超えると、原則実施できるリハビリの量はかなりの制限を受けることになります。医療保険内でリハビリを受けるということは、このような制限の中で進める必要があるということに注意が必要です。


そのような中、近年では医療保険を使わずに保険外で運動を行う機会も提供され始めています。保険外のサービスは自費で支払うことになるため、それなりに高額になります。しかし逆に制限なく受けられることも多いというメリットもあるわけです。まだ日本の文化の中では普及されていませんが、今後認知され選択肢の1つとして考えられる日が来るかもしれません。


自費リハビリの価格はその施設によってマチマチです。基本的には診療報酬下で1時間の金額が7,500円程度ですので、そこから大きく離れた価格設定をしている施設はあまり見られません。しかし中には、1時間20,000円といった設定でサービスを提供しているところもあります。どの程度の価格で、どの程度の効果が認められるのか念頭に置きながら施設を選択すると良いでしょう。



まとめ

今回は、脳梗塞で後遺症をおった場合に必要となるリハビリ費用について解説しました。決して安くはない費用の中で効率的なリハビリを受けられるよう考えていく必要があります。



藤本修平
執筆者

藤本修平

博士(社会健康医学)/ 理学療法士 / 認定理学療法士(脳卒中)
“脳卒中”の認定理学療法士かつ“健康情報学”の専門家。情報を上手に使いながら利用者様の日常の行動を変えることを得意とし、臨床現場での活動のみならず数々の研究活動・講演活動の経歴を持つ。

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