脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、腰痛、五十肩などの後遺症改善を目的としたリハビリサービス

お問合わせ

脳梗塞リハビリの新たな選択肢!ロボットリハビリとは?歩行編

日本を取り巻く高齢化や医療技術の進歩により脳梗塞や脳出血といった脳卒中後に後遺症を抱え生活される方が年々増加傾向の中、リハビリテーション(リハビリ)における選択肢も同じように技術力の発展とともに増えている状況にあります。
今回は、増えている脳卒中リハビリの選択肢の中でもロボットリハビリに注目し、ロボットリハビリの概要、効果、日本で普及している機器の紹介をしていきたいと思います。
 脳梗塞や脳出血の後遺症によりロボットリハビリについて知りたい方に向けた情報をまとめていますので是非参考にしてみてください。

脳卒中のリハビリにおける歩行補助ロボットとは?

脳卒中の歩行リハビリでは一般的にリハビリ室や廊下を歩く平地歩行練習や、トレッドミル(ルームランナー)などの歩行マシンを用いた歩行練習、もしくは筋トレやバランス練習などのリハビリが現在も行われています。そういった日々の臨床現場で私たち理学療法士が直面する課題として、介助量のによる制約と練習量の確保とその再現度が挙げられます。

例えば、歩行練習を望む方であっても療法士と体格差があるケースや、重症度の問題で大きな介助量を要する場合には、歩行練習を行うことができず、立ち上がり練習や立位練習にとどまってしまうケースがあります。その差を埋めるのが療法士に求められるスキルの一つではありますが、それでも安全性に問題があったり、必要とされる量の練習量を十分に提供するには限界があります。

そこで必要となってくるのがロボット技術です。多くの歩行補助ロボットでは、介助量の大きな方であっても歩行練習を実現できるように、体重や関節から身体を支える機能や、開発過程で適切な歩行周期を学習させ、センサーなどの技術を用いながら「より良い歩き方」を再現するためのアシスト機能が備わっております。それらの技術により、セラピストの技術だけでは再現出来なかった安全性や正確性のもと、必要十分量のリハビリ環境を生みだしているのが歩行補助ロボットになります。



歩行補助ロボットによるリハビリの効果

脳卒中リハビリの効果

次に、ここまで解説してきた歩行補助ロボットではどのような効果が得られるのかを解説していきます。

結論、発症から3ヶ月以内の患者様やリハビリ開始時に歩くことが出来ていない患者様においては、従来の理学療法介入と比べて歩行の自立度(頼りながら歩く程度の軽減)と歩行速度の向上においてはロボットリハビリの方が効果があるとされております。1)実際に、脳卒中治療ガイドライン2021年においても、歩行ができない脳卒中患者において発症早期に歩行補助ロボットを使用すした歩行訓練を行うことは妥当である(推奨度B①エビデンスレベル中)と記されており、より早い時期の脳卒中患者様においては一定の効果が検証されていると言えます。


検討(回復期以降のリハビリの効果は検証中

前述した効果につきましては、発症から比較的早期の患者さんを対象にした研究結果をもとにされています。現段階では、3ヶ月以降経過した患者さんのデータを蓄積した報告が多くないため、効果の良し悪しを十分に判断できる状況にあり、今後も回復期以降の患者様へのリハビリの効果検証が必要とされております。)



歩行補助ロボットの種類

それでは最後に歩行補助ロボットにはどのような種類が存在しているか、主に日本国内で普及している機器を中心に紹介していきたいと思います。


○Welwalk(日本:トヨタ自動車株式会社)

ウェルウォークは脳卒中の歩行支援に特化した歩行支援ロボットです。

トヨタ自動車と藤田医科大学の共同開発により誕生し、現在では国内102施設に導入されています。ウェルウォークの前モデルであるGait Exercise Assist Robotから開始し、現在ではWW-1000、WW-2000と販売がされています。

特徴としては、麻痺した足にロボット脚を装着することでトレッドミル上の歩行練習において適切なタイミングでアシストしてくれる機能や体重を支える機能が備わっており、脳卒中発症後早い段階から歩行再獲得に向けた歩行練習が可能です。

国内のリハビリテーションにおいては、厚生労働省の設ける診療報酬において令和2年に新設された「運動量増加機器加算」を認める機器として歩行練習機器としてはいち早く取り入れられた。



画像引用元:https://welwalk.jp/robotics/welwalk/


○Rokomat(スイス:Hocoma)

ロコマットは世界で最も普及している歩行支援ロボットと言えます。現在全世界903施設に普及しており、Rokomat pro、Rokomat nanoを展開しています。

特徴としては、WWに同じく外骨格を装着しトレッドミル上での歩行練習を行う機械です。骨盤周囲から装着される外骨格により、骨盤の横方向と回旋の動きを支援しながら身体を支えており、適切な歩行パターンをアシストしてくれる機能が備わっております。こちらは脳卒中リハビリ特化ではなく、脊髄損傷や小児のリハビリにも適応している機器であるのも特徴です。



画像引用元:https://www.hocoma.com/solutions/lokomat/


○HAL®(日本:CYBERDYNE株式会社)

筑波大学にて開発されたHybrid assistibe Limb®(HAL)は世界初の装着型サイボーグと呼ばれ、ロボットスーツとしてメディアにおいても取り上げられることが多い装着型のロボットです。医療用に開発されたタイプから介助支援や作業支援など一般的な生活場面で活用できるタイプなど複数のラインナップがあります。HALの一番の特徴は、独自に開発されたシステムで、皮膚に貼り付けられた電極により、身体を動かそうとした際の神経からの信号を拾い、各関節の動きをアシストする仕組みを持っています。脳卒中リハビリにおいても幅広く活用されていますが、神経・筋難病における効果がいち早く認められ、医療機器として保険適応が可能となっています。



画像引用元:https://www.cyberdyne.jp/products/LowerLimb_medical.html



まとめ

脳卒中発症後のリハビリの選択肢としてロボットリハビリが注目されています。

・歩行におけるロボットリハビリでは、従来では難しかった方への歩行練習を可能とし、ロボット技術を用いながら適切な歩き方での歩行練習を実現させます。

・ロボットによる歩行リハビリでは、早期の脳卒中患者様において歩行の自立度や歩行速度において効果が認められています。

・脳卒中リハビリではWelwalk、Rokomat、HALを中心とした様々な歩行支援ロボットが開発されています。


上肢や手のロボットリハビリについてはこちらの記事でまとめています。



出典

・https://welwalk.jp/robotics/welwalk/

・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/57/5/57_57.392/_pdf/-char/ja

・https://www.hocoma.com/solutions/lokomat/

・https://www.cyberdyne.jp/

・平野 哲, 脳卒中患者の歩行再建をめざしたロボットリハビリテーション, The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 2020, 57 巻, 5 号, p. 392-398


小川公寛
執筆者

小川公寛

理学療法士
急性期の総合病院と外来の整形クリニックにて、整形外科疾患を中心に内部疾患や脳血管疾患など様々な疾患を呈した患者様のリハビリに携わってきました。入院中と退院後の生活にギャップを感じる方も多く担当してきたため、生活を送る上で少しでも不安が払拭できるよう先々を見据えたリハビリを心がけています。

脳梗塞のリハビリTips

ページのトップへ