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脳卒中の歩行能力を向上させる歩行支援ロボット「ウェルウォーク」の効果とは?

リハビリ分野においても盛んになっているロボットの導入。
今回の記事では前回に引き続き、トヨタ自動車×藤田医科大学によって開発された歩行支援ロボットである「ウェルウォーク」についてのお話をしていきます。

はじめに

前回の記事では、【トヨタ自動車開発】脳卒中の歩行能力を向上させる歩行支援ロボット「ウェルウォーク」の特徴とは?という記事においてリハビリ支援ロボットであるウェルウォークの概要とその構造的な特徴についてまとめました。興味がある方はぜひそちらからご覧ください。

今回のAViC Reportでは前回に引き続きそのウェルウォークについて、

適応となる人や、その効果についての解説をしていきたいと思います。




歩行支援ロボット「ウェルウォーク」が使える人、使えない人

今回のウェルウォークに限らず、リハビリテーションにおけるプログラムや手技、機器については無闇に実施するべきではなく、薬などと同じように適応などを十分に検討する必要があります


さらにウェルウォークにおいては、厚生労働省の医療機器の認定を受けているため、なおさら導入にあたっては慎重な検討が必要となります。


その上で、ウェルウォークが使える人使えない人について述べていきたいと思います。



  • 使える人(適応になりうるかた)

    ①脳梗塞や脳出血など脳卒中を発症し下肢に麻痺が残っている人

    こちらは大前提となり、ウェルウォーク自体が脳卒中による歩行支援ロボットに位置付けられて開発されているため、脳卒中後の歩行能力が低下している方が適応となります。

    ②脳卒中発症後早期の方

    次のトピックでも触れますが効果がより検証されているのが発症早期の方です。急性期病院から回復期病院の時期にウェルウォークがある病院であれば実施する機会もあるのではないでしょうか

    ③長下肢装具で歩く練習をしている方

    前述の早期の方という点と重複する点もありますが、長下肢装具で歩く練習をしている方も適応となり得ます。基本的に長下肢装具に求められる機能はウェルウォークには備わっている上に、長下肢装具では実現しにくい振り出し時の膝の動きをアシストしてくれるため適応となりえます。

    ④歩き方にこだわりが強い方

    脳卒中の歩行リハビリにおいて歩き方の改善を目標とする患者様も多いのではないでしょうか。ウェルウォークでは、ロボット脚装着時にはセンサやアシスト機能により、自然な振り出しや支えを実現しながら反復した歩行練習を行うことができます。さらに、ロボット脚が不要となった段階においても、各方面からのカメラのリアルタイム映像や、モニタ上に映し出されるガイドなどをもとに、より良い歩き方の獲得に向けたプロセスを歩むことができます。

    ⑤比較的重度だが歩く練習をしたい方

    車椅子の状態で退院してしまった場合には、退院後に歩く練習をできる環境は限定されてしまいます。なかには、重度であり車椅子生活をしているが、今の生活の中でも歩く練習や歩いている実感をしたいと思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。そのような方であっても、安全性が高い環境の中で十分な歩行練習ができるという点ではウェルウォークは優れていると考えます。

  • 使えない方(適応外となる方)

    残念ながら適応に当てはまっていてもご利用できない方もいらっしゃいます。

  • 公式のHPにも掲載されている情報からまとめていきます。

    1:心臓機能や呼吸機能の障害によって運動制限がある方

    2:コントロールができていない高血圧を有している方

    3:症状の伴う不整脈や徐脈、頻脈が存在する方

    4:ペースメーカーを使用している方

    5:感染症のある疾患に罹患している方

    6:脚の関節に重度の拘縮がありロボット脚の着用ができない方

    7:骨折しやすい疾患の方

    8:妊娠している方、妊娠の可能性がある方

    9:指示に従うことのできない重度の高次脳機能障害を認める方

    10:体重が10kg以上ある方

    11:その他医師から使用が認められていない方


以上のように目的に合わせ使える方と、医療的な制約や機器の安全性の観点から使用が制限されてしまう方がいるようです。



脳卒中歩行リハビリにおけるロボットリハビリの効果

ここまで複数のReportによってウェルウォークが優れている点が多いのは分かって頂けた方も多いかと思いますが、気になるのがその効果だと思います。

最後に、ロボットリハビリが脳卒中の歩行リハビリにおいてどのような効果をもたらすのかを解説していきます。

 

結論:脳卒中リハビリにおけるロボットリハビリは発症早期の方において歩行の自立度を高めることに期待ができる

 

先に結論から述べさせてもらいましたが、実際に、脳卒中治療ガイドライン2021年と呼ばれる有識者たちが集まり見解をまとめる文書においても、

歩行ができない脳卒中患者において発症早期に歩行補助ロボットを使用すした歩行訓練を行うことは妥当である(推奨度B①エビデンスレベル中)と記されており、より早い時期の脳卒中患者様においては一定の効果が検証されていると言えます。

 

一方で、それ以外には効果がないのかというとそうではありません。

まだ十分な精度での検証ができていないという解釈になります。

大小大きな研究の括りで現在も検証が進められております。

 

ウェルウォークにおいても同様で、通常の理学療法を実施したグループに比べて、GEAR(ウェルウォークの前機種)を実施したグループの方が、介入後の歩行の自立度を示す数値が高かったという効果が検証されています。

また、脳卒中の歩行リハビリにおいて歩き方が気になるというお悩みに直面するケースも多いですが、同様にGEAR(ウェルウォークの前機種)を用いたリハビリにおいて、GEARを使わなかったグループに比べて、体重移動や、降り出す際の膝の曲がり具合、骨盤の引き上げの点において優れていたという結果も出ており、歩行の自立度だけでなく、歩き方においても効果が期待されています。

 

引き続き、どのような効果が得られるのかの検証を行いながら運用していくのが、私たち施設の役割でもあると考えています。

また新たな知見が集積されてきましたら続報として掲載させていただきたいと思います。


まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の記事では、

◯ウェルウォークの適応になりうる人

◯ウェルウォークが使えない人

◯効果(歩行の自立度に寄与、歩き方に寄与する)

という点をまとめてきました。

残念ながら導入施設の多くは急性期や回復期のリハビリ病院に集中しており、気軽に体験できる環境は限られておりますが、今回の記事を読んで、退院してしまったがウェルウォークを体験してみたいという方は、当施設(AViC THE PHYSIO STUDIO名古屋栄店)にお問い合わせください。



出典

https://welwalk.jp/robotics/welwalk/


・Mehrholz J, Thomas S, Kugler J, Pohl M, Elsner B. Electromechanical-assisted training for walking after stroke. Cochrane Database Syst Rev. 2020 Oct 22;10(10):CD006185. doi: 10.1002/14651858.CD006185.pub5. PMID: 33091160; PMCID: PMC8189995.

・Tomida K, Sonoda S, Hirano S, Suzuki A, Tanino G, Kawakami K, Saitoh E, Kagaya H. Randomized Controlled Trial of Gait Training Using Gait Exercise Assist Robot (GEAR) in Stroke Patients with Hemiplegia. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2019 Sep;28(9):2421-2428. doi: 10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2019.06.030. Epub 2019 Jul 13. PMID: 31307899.

・Katoh D, Tanikawa H, Hirano S, Mukaino M, Yamada J, Sasaki S, Ohtsuka K, Katoh M, Saitoh E. The effect of using Gait Exercise Assist Robot (GEAR) on gait pattern in stroke patients: a cross-sectional pilot study. Top Stroke Rehabil. 2020 Mar;27(2):103-109. doi: 10.1080/10749357.2019.1660080. Epub 2019 Sep 4. PMID: 31483736.


リハビリ施設AViC
執筆者

リハビリ施設AViC

株式会社豊通オールライフが運営する自費リハビリ施設AViCです。尾山台(東京・世田谷区)・日本橋(東京・中央区)と名古屋栄(愛知県・名古屋市中区)の3店舗を運営をしております。 脳卒中や、パーキンソン病などの神経難病、介護予防、痛みなど幅広いお悩みに対して、リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士が専門家の立場から、最新情報をもとに科学的根拠に基づいたリハビリを通しご利用者様の人生を豊かに出来るよう営業を行っています。

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