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膝の痛みの改善に知っておくべき3つの科学的な治療ステップ ~自分でできる痛みの軽減方法~

膝の痛みは日常生活を制限し、生活の質を低下させる主な原因の一つです。進行すると手術を検討する必要がある場合もあります。そのため、痛みの原因を理解し、適切な治療方法を選択することが重要です。本記事では、膝の痛みの特徴や原因、効果的な治療方法について、以下の3つのステップに分けて解説します。

膝の痛みとは?

膝の痛みは、膝関節や周辺の組織に問題が生じることで発生します。一般的な原因としては、以下が挙げられます。


 



  • 変形性膝関節症(OA): 中高年層で多く、関節軟骨の摩耗や炎症が進行することで痛みを引き起こします。

  • 半月板損傷: 膝関節内のクッションである半月板が損傷することで生じる痛み。

  • 靭帯損傷: 膝を安定させる靭帯が損傷した場合に発生する痛み。

  • 腱炎: 腱の炎症により引き起こされる痛み。

  • 滑液包炎: 膝関節周囲の滑液包が炎症を起こして痛みを生じる状態。



治療の3つのステップ

ステップ1:保存療法

膝の痛みが軽度から中程度の場合、最初に取り組むべきは保存療法です。これには以下の方法が含まれます。



  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): 経口または局所用のNSAIDsは、炎症と痛みを軽減します。特に局所用NSAIDs(例: ジクロフェナク)は副作用が少なく安全です。

  • 理学療法と運動療法: 筋力強化、ストレッチ、バランス訓練を組み合わせたプログラムは、症状を改善し、再発を防ぎます。

  • 局所治療: ヒアルロン酸注射やPRP(多血小板血漿)は、短期的な症状緩和に有効です。


*PRP(多血小板血漿): 患者自身の血液を採取して濃縮した血小板を患部に注射する治療法で、再生を促進します。


保存療法は膝の痛みの初期段階で有効であり、運動療法は特に重要です。適切な運動を通じて筋力を向上させ、関節への負荷を軽減することが期待されます。



ステップ2:インターベンション治療

インターベンション治療とは、保存療法と外科的治療の間に位置する治療法であり、主に中程度から重度の痛みに対処することを目的としています。この治療は、症状を一時的または長期的に緩和し、外科手術を避ける可能性を提供します。以下に代表的な方法を示します。



  • 神経ブロック: 膝関節神経へのブロックにより即効性のある痛みの軽減が期待されます。

  • 末梢神経刺激(PNS): 慢性膝痛に対する効果的な治療法で、電気刺激を用いて神経の働きを調整します。

  • 再生医療(PRPや幹細胞療法): 軟骨再生や炎症抑制を目指した治療法として注目されています。


*幹細胞療法: 患者自身の幹細胞を利用して、損傷した組織を修復しようとする治療法です。


インターベンション治療は、保存療法では十分な効果が得られない患者に対し、症状の緩和と機能改善を目指して実施されます。



ステップ3:外科的治療

保存療法およびインターベンション治療が効果を示さない場合、外科的治療が選択肢となります。



  • 関節鏡視下手術: 半月板や靭帯損傷の修復に有効です。

  • 膝関節全置換術(TKA): 重度の変形性膝関節症患者に対する最終的な治療法です。


外科的治療は最終手段として考慮されるべきであり、医師との十分な相談が必要です。



自分で取り組めること

膝の痛みの管理には運動療法が非常に重要です。

以下のポイントを意識して取り組みましょう。


 




  • 筋力強化: 大腿四頭筋やハムストリングスを強化し、膝関節への負荷を軽減します。

  • ストレッチ: 関節の柔軟性を向上させ、動作の範囲を広げます。


これらの運動は、医師や理学療法士の指導の下で行うことが推奨されます。



まとめ

膝の痛みは日常生活に多大な影響を及ぼしますが、早い段階での適切な治療と自己管理により改善が可能です。

この記事で紹介したように早期からご自身で取り組んでいくことが重要です。

AViCでは、膝の痛み改善のために理学療法士による運動プログラムを提供しています。お気軽にご相談ください。



出典

1)Bartholdy C, Juhl C, Christensen R, Lund H, Zhang W, Henriksen M. The role of muscle strengthening in exercise therapy for knee osteoarthritis: A systematic review and meta-regression analysis of randomized trials. Semin Arthritis Rheum. 2017;47(1):1-12. doi:10.1016/j.semarthrit.2017.03.007


2)Beckwée D, Nijs J, Bierma-Zeinstra SMA, et al. Exercise therapy for knee osteoarthritis pain: how does it work? A study protocol for a randomised controlled trial. BMJ Open. 2024;14:e074258. doi:10.1136/bmjopen-2023-074258


3)Hunter CW, Deer TR, Jones MR, et al. Consensus Guidelines on Interventional Therapies for Knee Pain (STEP Guidelines) from the American Society of Pain and Neuroscience. J Pain Res. 2022;15:2683-2745. doi:10.2147/JPR.S370469


リハビリ施設AViC
執筆者

リハビリ施設AViC

株式会社豊通オールライフが運営する自費リハビリ施設AViCです。尾山台(東京・世田谷区)・日本橋(東京・中央区)と名古屋栄(愛知県・名古屋市中区)の3店舗を運営をしております。 脳卒中や、パーキンソン病などの神経難病、介護予防、痛みなど幅広いお悩みに対して、リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士が専門家の立場から、最新情報をもとに科学的根拠に基づいたリハビリを通しご利用者様の人生を豊かに出来るよう営業を行っています。

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