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ストレスが腰痛の原因になる!?

腰痛の分類

腰痛には大きく分けて2種類に分類できます。

1つ目は、X線検査を中心とした画像検査において、異常がある特異的腰痛です。特異的腰痛の中には、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、圧迫骨折などが該当します。


もう1つは、画像検査上の異常がない腰痛、これを非特異的腰痛といいます。非特異的腰痛は腰痛全体の85%を占めるといわれており、腰痛の大半は画像検査にて原因のみつからない非特異的腰痛と報告されています[1]。また、この非特異的腰痛は70%以上の方が生涯に一度は経験するといわれており[2]、とても罹患率の高い疾患です。


 昨今、非特異的腰痛についての研究が進み、体幹の筋力トレーニングや、全身トレーニングなど様々な介入方法が報告されるようになってきました[3]。しかし、実際にどれから手をつければいいか、どんな方法が自分に合っているかは判断が難しいのではないかと思います。自分に合った方法をみつけるためには、自分の腰痛がどのような特徴を持っているかが重要になります[4]。


 そこで今回のレポートでは、腰痛に関わるといわれている因子についてまとめていきます。皆さんはいくつ当てはまりますか?また、どんな特徴がありましたか?



腰痛に関係する因子は?実は、身体に関わることだけでない要因も

①股関節の硬さ[5]


皆さんは膝を手で持ち、胸の方に曲げた際に、太ももが胸につきますか?


このストレッチは、お尻の硬さを示しています。股関節の硬さは男性における腰痛に関与しやすいといわれています。股関節は腰と隣の関節であり、股関節と腰は動きにおいて密接に関係しています。この検査において股関節の硬い方、しゃがみ込みをする際に、腰が曲がっていませんか?股関節が硬い場合は、腰はその硬さを補うように曲がっていきます。そのため、腰にかかる負担は増えていきます。股関節がどの程度曲がるかを是非一度チェックしてみてください。


 


②腰・脚の筋力[6]


 筋力は腰痛において重要な要素です。腰痛のある人はない人と比べて腰および脚の筋力が低下しやすいといわれています。明確な理由は不明ですが、日中の運動量が少ない人や座っている時間が長い人は腰痛が発症しやすいことと関係しているかもしれません。痛みの種類・程度にもよりますが、安静にしている方が腰痛に繋がっている可能性があります。腰痛の方には、ウォーキングや水中での運動は有効であることが示されています。


 


③過度なストレス[7]


仕事や家庭環境など過度なストレスも腰痛と関係があるといわれています。心理的な影響は痛みにも影響を及ぼすことがあるのです。心配事やストレスはあまり溜め込みすぎず、リラックスして深呼吸をしてみましょう。適度な運動もストレス発散には有効です。


 


④職業の関係[8,9]


 腰痛には職業の関係しています。主に重労働方は特に腰痛発症との関連が認められています。他には、手作業を多く行う方や体幹の捻じれを伴う動作が多い方には腰痛と関連があります。また、デスクワークなど座っている姿勢が長いほど腰痛発症の危険性は高くなります。小休憩を挟んだり、動作を工夫したりして、同じ姿勢の継続や負荷のかかる作業を変えてみるのも良いかもしれません。


 


皆さんは上記の中でいくつ当てはまりましたか?


今回は、腰痛に関係するお体の状況について解説しました。安静にするよりも体を動かすことの方が適切なことが多いような結果でした。詳細にお体の調子をチェックしたい方はお近くの医療機関、または担当の医師や理学療法士、作業療法士といった専門家にご相談ください。


 


 



出典

【参考文献】


[1]R A Deyo, J Rainville, D L Kent.: What can the history and physical examination tell us about low back pain?  JAMA. 1992 268: 760-765. 


[2]Andersson GBJ: The epidemiology of spinal disorders. In: Frymoyer JW, ed. The adult spine: principles and practice. 2nd ed: 93-141, Raven Press.1997 New York. 


[3]Coulombe BJ、Games KE、Neil ER et al.: Core Stability Exercise Versus General Exercise for Chronic Low Back Pain.2017 Jan;52(1):71-72.


[4]Petersen T、Laslett M、Juhl C.Clinical Classification in Low Back Pain: Best-Evidence Diagnostic Rules Based on Systematic Reviews. BMC Musculoskelet Disord. 2017 May 12;18(1):188.


[5]Avman MA、Osmotherly PG、Snodgrass S et al.: Is There an Association Between Hip Range of Motion and Nonspecific Low Back Pain? A Systematic Review.Musculoskelet Sci Pract. 2019 Jul;42:38-51.


[6]de Sousa CS、de Jesus FLA、Machado MB et al.: Lower Limb Muscle Strength in Patients With Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Musculoskelet Neuronal Interact. 2019 Mar 1;19(1):69-78.


[7]Pinheiro MB, Ferreira ML, Refshauge K et al.: Symptoms of Depression and Risk of New Episodes of Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. Arthritis Care Res (Hoboken). 2015 Nov;67(11):1591-603.


[8]LöttersF、Burdorf A、Kuiper J et al.: Model for the Work-Relatedness of Low-Back Pain. Scand J Work Environ Health. 2003 Dec;29(6):431-40.


[9]Brakenridge CL、Chong YY、Winkler EAH et al.: Evaluating Short-Term Musculoskeletal Pain Changes in Desk-Based Workers Receiving a Workplace Sitting-Reduction Intervention.Int J Environ Res Public Health. 2018 Sep 10;15(9):1975.


鈴木彬文
執筆者

鈴木彬文

理学療法士、認定理学療法士(運動器)
前職の総合病院では、整形外科および中枢神経疾患などの幅広い層の患者様にリハビリを提供して参りました。国際学会での発表や論文執筆を通して学んだことを活かし、ご利用者様にお体の状態をわかりやすくお伝えすることを心がけています。

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